ポキッ!「お、落ちた・・・」

今週のお題「受験」いつもいつも畑がらみの話題なので、たまには他のねたを・・・と思ったのですが、けきょっくワインがらみの域をでられません。とゆーことで今週のお題が「受験」とあったのですが、私自身大学受験は未経験ですし、高校受験も「しかたなくやってた感」ありありでした。ただ、いままでの半生でもとっも燃えて、最大のプレッシャーがかかった試験と言えば「日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格試験」です。高校や大学の入学試験に比べれば、世の大半の人にとってかかわりの無い試験ですが、少しばかり語らせていただこうと思います。                                                                                                                                                                         ソムリエ資格を取ったらどんないい事があるか、1.ワインを扱う仕事をさがすのに、ちょっとだけ有利になる。 2.なにかと、あらゆる機会でいろんな種類のワインを(まれ〜に高級ワインも)ただで又はお安い値段で味わえることが多い。3.「ソムリエ」とゆうだけでなんとなくかっこいいイメージをもたれる。4.お給料が良くなることもまれ〜にある?!ソムリエ資格を取って、目先のいい事はおおまかにこの四つです(あくまで私の個人的見解として)。                                                                                                          ソムリエ試験の概要は<一年に一回秋に一次試験、合格すれば一〜ニヶ月程度おいて二次試験> <受験資格として、ワイン、又はアルコールを扱う飲食サービス業に五年以上従事していること> <毎年、受験者数全体で40パーセントの合格率>                私自身、ワインの勉強をし始めた当初は「造り手になりたい」と思っていました。今思えばかなり無謀なのですが、あのシャトーマルゴーに「働かせてください」とゆう内容の手紙をだしたこともあります(なんと!!あのマルゴーのオーナーの署名で丁寧な「お断りの手紙」をいただいたときは小泉純一郎ばりに「感動した!」でした。以来私の中の最も偉大なワイナリーは永遠にシャトーマルゴーです)。ただ、高卒でワイナリーに就職するのは難しく方向転換をせまられたうえで。まずは、ワインを飲むお客さんを勉強しよう、そのゴールとして「ソムリエ資格取得を目指そう!」と思ったのが始まりでした。                                                                                           そう思ってから、レストランで本格的にワインを勉強し始めたので。目指そうと決心してからソムリエ受験資格取得までは最短でも五年かかりました。写真の本は試験を申し込んでから「これを全部おぼえろ」と言わんばかりにソムリエ協会から送られてきた教本です。当時の1998〜1999年は、チリワインやアルゼンチンワイン、ニュージーランドワインなど、新世界ワインとゆうのがどんどん出始めた頃だったので、4cmはあろうかとゆう厚さの教本です。もともとワインの事をどんどん知りたいと思っていた頃(今でもそうですが)だったのでワインの勉強自体は苦ではなっかたのですが、「知りたい」と「おぼえたい」は似ているようでぜんぜん違うものだと強く感じたのもこの頃です、ボルドーブルゴーニュの特級、一級。ボルドー全特級シャトーのセカンドワインなどなどを暗記、暗記するのが何より苦手な私にとって苦痛いがいの何物でもありませんでした。                                             パニエ抜栓の写真                                                                                                                          一次試験を何とかパスして、二次の実技試験。ソムリエ試験で実技?と思われるかもしれませんが、ごくまれ〜に高級レストランではお客様の目の前で「パニエ抜栓からデキャンタージュ」とゆう一見儀式のようなものを、ソムリエ諸氏が真剣な面持ちやってくれます、これをするのです。       一次にうかってから毎日のように漫画「ソムリエ」にでていた、ワインボトルに水を入れ澱に見立てたコーヒーかすをしずめた「疑似高級ワイン」を何本もつくり練習をしました。それなのに、それなのに事件はおきてさまったのです・・・。                                                 某有名ソムリエさんによる、デキャンタージュ。                                                                                                           二次試験の室内にて、受験者5人程度が同時に実技をスタートします。目の前には真っ白いクロスのかけられた長テーブルに人数分の疑似高級ワイン(銘柄は変わるそうなのですが、もちろん安ワインが使われます)とパニエ(ワイン用のかごのような物)、そのむこうには試験管が数名、みなさんワイン関連の本や雑誌で見たことのある有名なソムリエの先生方ばかりが受験生の実技を凝視して、容赦なくプレッシャーをかけておられます。                        五年越しの思いでたどり着いたこの場所。全体の四割が合格するとわいえ、落ちたらソムリエ浪人をしてまた一年後です、ソムリエ試験合格を契機に、造り手えの道に進もうと考えていた私にとっては、ストレートで合格するか、一浪するかはたった一年ですが大きな違いでした。                     当然のごとく、がちがちに緊張してしまったままスタート。いざソムリエナイフでコルク栓を半分までぬいたときそれは起きてしまったのです「ポキッ・・。お、終わった・・・」やってしまいました、あれだけ練習したのに!!コルク栓は見事に折れてしまったのです(言い訳になるのですが、パニエ抜栓は写真のようにワインを横に寝かせた状態でコルクを抜かないといけないので、普通にボトルを立てた状態での抜栓よりも難しいのです)。  一瞬真っ白になりました、この時点で「もう一年がんばるか〜」と思い、同時に「ま、どうせ落ちるんだからひらきなおってやろ!」と思えました。                                                                                                             他の受験生も私同様、試験管の容赦ないプレッシャーによる緊張のためか、真っ白いクロスの上に血痕のごとくポタポタとワインおこぼしてしまっています。「落ちる」とさとり開き直った私は、折れたコルク栓をゆっくりと引き抜き、その後はスムーズに進めて終えることが出来ました。ひととおり終えて全員が終わるのを待っているときでした。「君はどこで働いてるのるの?」唐突に一人の試験管が声をかけてきたのです「私は町場のフランス料理店で働いています。」と答えたものの、この時の試験管が、なぜコルクを折った私にだけ声をかけてきたのか??? いまだに謎のままです。                                                                                                              そんな、こんなでコルクを折ったにもかかわらず、まさかの!?ストレート合格。「コルク栓を折る」とゆう致命的とも思えるミスをしても、やりようによってはソムリエ試験も合格できるものなのでした。                                        長々と語ってしまいましたが。ま、大学受験もしていない私がアドバイスもないのですが。「もうだめだ・・・」と思ったときこそ、あきらめずに「良い意味で開き直る」ことも、ときには大切なのかもしれませんね。